最近、オンラインでお茶を販売する農家さんが増えてきました。
お茶好きとしては、これまで現地に行かないと買えなかったような希少なお茶を、自宅で気軽に注文できるのはとてもありがたいことです。近所のお茶屋さんが減ってきている中、こうした選択肢の広がりは嬉しく感じます。
たとえば、届いたお茶の産地や品種、農家さんの紹介を読みながら一煎目を淹れると、「こんな環境で育ったんだな」「この方が育てたんだな」と背筋が伸びて、ゆっくり味わいたい気持ちになります。
最近では、オンライン販売のためのサービスやプラットフォームも充実してきて、販売方法の選び方にも幅が出てきました。今回は、お茶の販売許可をお持ちの農家さん向けに、オンラインでお茶を販売する方法を紹介します。
6つの販売方法
1. SNSやサイトを使ったお問い合わせ販売
Instagramやホームページなどに「お問い合わせフォーム」を設けて、そこから注文を受ける方法です。
支払いは銀行振込などで対応することが多く、システムを使わずに販売できるので、オンライン販売が初めての方にも取り組みやすい方法です。
ポイント
- 初期費用がかからず、手軽に始められる
- お客さんとのやり取りや支払いは、すべて手動で対応
- SNSでの発信や紹介ページなど、自分で集客が必要
2. BASEやSTORESを使ったネットショップ販売
「BASE」や「STORES」といったネットショップ作成サービスを使って、自分専用のオンラインショップを開設する方法です。
専門知識がなくても操作できる設計ですが、最初にお店の情報、商品ページ、送料などを入力する作業があるため、準備にはある程度の時間が必要です。
ポイント
- ネットショップとしての信頼感があり、リピート購入にもつながる
- 初期設定(お店・商品・配送情報など)に時間と手間がかかる
- 利用料や決済手数料がかかるサービスもある
3. フリマアプリ(メルカリなど)で販売
「メルカリ」などのフリマアプリを使って商品を出品・販売する方法です。
スマホだけで操作できるため手軽に始められますが、農産物やお茶の場合は「すぐ購入」よりも、購入前に問い合わせをもらうことが多いのも特徴です。
ポイント
- 集客、決済、配送などがアプリでサポートされる
- 出品作業や購入前の問い合わせ対応が必要になることがある
- 販売手数料がかかり、似た商品が多いため工夫が必要
4. 産直ECでの販売(ポケットマルシェ、食べチョクなど)
農産物や食品の専門サイトを使って販売する方法です。
食や農に関心の高いお客さんが集まっており、こだわりやストーリーのあるお茶を届けたい方に向いています。
ポイント
- 作り手の想いが伝わりやすく、価値を理解して買ってくれるお客さんと出会える
- プラットフォームが集客をサポートしてくれる
- 出店には審査があり、手数料や利用料がかかる
5. モール販売(楽天、Amazonなど)
「楽天」や「Amazon」といった大手のECモールに出店して販売する方法です。
多くの人に見てもらえる一方で、商品情報の登録や在庫管理、問い合わせ対応、ルールへの対応など、日々の運営にしっかり取り組む必要があります。
ポイント
- 多くの人に商品を見てもらえるチャンスがある
- 注文管理や在庫管理、カスタマー対応を継続的に行う必要がある
- 初期費用・月額費用・販売手数料が高め
6. クラウドファンディングで販売する
新商品や体験イベントなどを「プロジェクト」として紹介し、応援してくれる人から支援を集める方法です。
たとえば「新しく作った品種のお茶を届けたい」「茶畑で体験イベントを開催したい」といった企画に向いています。
ポイント
- 希少品種や体験企画など、“共感される内容”に強い
- 応援を通じてファンができる/想いが伝わる
- 準備やPRに時間がかかる/継続販売には向かない
オンライン販売方法 比較表
販売方法 | 向いている人 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
1. SNSやサイト(問い合わせ販売) | ・まずは試しに始めたい ・個別対応を大切にしたい | ・初期費用が安く済む ・顧客との直接的なやり取りができる | ・集客や受注対応をすべて自分で行う必要がある ・手動対応のため手間がかかる ・決済が煩雑になりやすい |
2. BASE・STORES(自社EC販売) | ・イベント出店やでの販売と連携し、リピート購入の仕組みを作りたい ・ギフトセットやお茶請けなどの商品を展開をしていきたい | ・簡単にネットショップを作成できる・注文や決済が自動化できる・販促ツールが使える | ・初期設定に手間がかかる・無料プランでも手数料がかかる |
3. フリマアプリ(メルカリなど) | ・気軽にオンライン販売を始めたい ・少量の商品から試してみたい | ・集客、決済、配送などがシステムでサポートされている・簡単に出品・販売できる | ・販売手数料がかかる・競合が多く、目立つ工夫が必要 ・問い合わせが多い |
4. 産直EC(ポケットマルシェ、食べチョクなど) | ・価格ではなく「価値」を理解して買ってくれるお客さんとつながりたい ・こだわりの商品や農家の想いを伝えたい | ・食や農に関心の高い顧客層に届く ・農家のストーリーを伝えやすい ・集客のサポートがある | ・出店審査がある ・手数料や利用料がかかる ・出品や運営に一定の基準がある |
5. モール販売(楽天、Amazonなど) | ・大規模に展開したい ・在庫管理やルール対応に慣れている ・安定して販売を続けたい | ・知名度が高く、多くの人に商品を見てもらえる ・集客力がある ・システムで注文や在庫を管理できる | ・初期費用、月額費用、手数料が高い ・運営に手間とコストがかかる ・ルール対応が厳しい |
6. クラウドファンディング | ・新しい商品やイベントを共感を呼ぶ企画として届けたい ・開発資金と同時にファンづくりもしたい | ・話題性が出やすい ・支援を通じて資金調達と同時にファンができる ・共感を集めやすい | ・企画やプロモーション準備に時間と労力が必要 ・継続的な販売には向かない ・成功報酬型で手数料が発生 |
まとめ
オンラインでお茶を販売するためのさまざまな方法をご紹介しました。
「まずは一歩踏み出してみたい」「定期購入に挑戦してみたい」「お客さんとのつながりを大切にしたい」など、目指す方向によって選ぶ方法も変わってきます。
ご自身の状況に合わせて、無理のない形で始めてみてください。
どの方法が自分に合っているか、迷ったときは、ぜひご相談ください。
Charyoでは、お茶農家さんのオンライン販売のサポートを行っています。
オンラインでのご相談は、初回無料60分で承っています。「ちょっと話を聞いてみたいな」という段階でもお気軽にどうぞ。