仕事で新橋へ。帰りに立ち寄ったのが、旧新橋停車場です。ここには、旧新橋停車場鉄道歴史展示室という、日本初の鉄道駅「新橋」駅の歴史を紹介する博物館があります。その建物内に、「お茶の文化創造博物館·お~いお茶ミュージアム」がオープンした話を聞き、行ってきました。
お茶の文化創造博物館
「お茶の文化創造博物館·お~いお茶ミュージアム」は、「おーいお茶」を販売する伊藤園さんが運営する博物館です。無料エリアの「お~いお茶ミュージアム」では、おーいお茶の歴史や製造工程。有料エリアの「お茶の文化創造博物館」では、お茶の歴史について学ぶことができます。
お茶の文化創造博物館・汽車土瓶とお弁当
お茶の文化創造博物館の展示で、興味をそそられたのが、「汽車土瓶(きしゃどびん)」の展示でした。汽車土瓶は、温かいお茶が入った土瓶の事です。陶器でできています。明治22年に静岡で、駅弁とお茶が入った汽車土瓶をセットで発売したことのが始まり。形は、急須のようなものもあれば、小さな水筒のような形をしているものもあります。時期によっては、ガラス瓶に入っていたこともありました。
抽出されたお茶を販売することは、世界的にも珍しいものだったようで、昭和10年(1935年)に出版された「All about tea」という本にも紹介されています。この本の著者であるウィリアム・ユーカースさんは、お茶の研究のために世界中を旅していた人。ボトルに入ったお茶が販売されているのは日本だけだと、とても驚いたそうです。
投げ捨てられていた汽車土瓶
展示の歴史を見ていて驚いたのは、飲み終わった汽車土瓶を窓から投げ捨てていた話。お茶が空っぽになると、窓から汽車土瓶を投げ捨てる人が多かったそう。割れた土瓶が畑の中に入ったり、人に当たって怪我することもあり、社会問題になっていました。投げる人を減らすための策として、汽車土瓶の側面に、空き瓶は回収するから、座席の下置くように注意文が印字されている土瓶も展示されていました。
汽車土瓶は、信楽焼、瀬戸・美濃・常滑なども色々な産地で作られていました。販売されていた地域名が刻印されているものもあり、旅情感を感じました。
旧新橋停車場鉄道歴史展示室
「お茶の文化創造博物館·お~いお茶ミュージアム」の隣にあるのが、旧新橋停車場鉄道歴史展示室です。1872年に開業した新橋駅の歴史を紹介する博物館です。無料で見学することができます。
こちらにも、新橋駅から出土した汽車土瓶が展示されていました。汐留地区を開発する際に、発掘されたもの。汽車鉄瓶は使い終わると土の中に埋められていたので、発着駅である新橋から大量に出てきたそうです。
親近感が沸いたのは、真ん中にある「崎陽軒」の汽車土瓶。シュウマイ弁当で有名なあの崎陽軒です。大好きな駅弁の一つなので、昔から人気のお弁当だったのかなと嬉しくなりました。
お弁当にお茶というのは、鉄道が走り始めたことからあったのかと感慨深い。お茶も旅も鉄道も大好きなので、嬉しい発見があった新橋のお茶旅でした。