子どもの頃、友だちに似顔絵を描かれるたび、私はくるくるの前髪を描かれました。わたしは生まれつき強い天然パーマ。でも、それが好きになれませんでした。リカちゃんのようなサラサラのストレートヘアに憧れて、鏡の前でため息をつく日々。誰に言われたわけでもないのに、ストレートこそが美しいと思い込んでいました。
学生の頃にダンスを始めてから、その思いはさらに強くなりました。長い髪をなびかせて踊る姿は、それだけでかっこいい。安室ちゃんみたいに。踊るたびにさらさらと流れる髪が欲しかった。だから、ついに意を決して何万円もかけてストレートパーマをかけてみました。驚くほどまっすぐになった髪を何度も振り返り、CMの女優みたいに首を振ってみる。自分に自信が持てた瞬間でした。
それから20年。私は年に3〜4回、4時間半かけて美容室に通い続けました。最初は何の苦でもなかったけれど、ある日、ふと思う。この時間、もったいなくない? それに、繰り返すパーマで髪はどんどん傷んでいく。根元が伸びるたび、まるで「そろそろ美容室に行け」と言わんばかりの境界線ができる。気づけば、わたしの髪は「自由」ではなくなっていました
ストレートパーマをやめよう。でも、それがどれだけ大変なことなのか、よくわかっていませんでした。
美容師さんに相談すると、「全部地毛に戻るには1年くらいかかるかもしれません」と言われました。その間、ストレートの部分とくるくるの部分が混ざり合い、どうにもまとまりのない髪型になるらしい。それでも、やめると決めたのだから、やるしかない。

それからの1年は、まさに試練でした。特に前髪。いちばんクセが強いのに、ストレート部分と共存しなくてはいけない。アイロンを駆使し、結んだり、無理やり流したり。でも、どれだけ頑張っても、なんとなくちぐはぐで落ち着かない。それでも、じっと耐えて、伸ばし続けました。
そして1年後。ようやく、最後のストレート部分を切り落としました。
鏡に映る姿は、完全にくるくるの髪になっていた。少し怖かった。ボサボサになってしまうんじゃないかと。でも、美容師さんの手で整えられた髪は、まるでナチュラルなパーマをかけたかのように柔らかく、動きのあるスタイルになっていました。
それから、お手入れはぐっと楽になりました。時間だけじゃない、気持ちも。ストレートの頃は、どこかで「ちゃんとしなきゃ」と思っていたのかもしれない。まっすぐな髪に、自分を寄せていた。でも、今は違う。髪が私に馴染んでいる。ありのままの自分でいいと思える。
気づけば、服装も少し変わりました。きっと、私はやっと自分に似合うものを選べるようになったのかもしれません。長い時間をかけて、ようやく「地毛」の良さに気づくことができました。