「自社サイト、作ったほうがいいのかな……」そう思いつつも、「難しそう」「調べるのが大変そう」と感じて、なかなか一歩を踏み出せていない。そんな方も多いのではないでしょうか。
この記事では、民泊ホストの方に向けて、自社サイトを“小さく”始める方法をご紹介します。
部屋数が少ない小規模な宿に向いている方法です。
自社サイトは「問い合わせベース」から始めてみるのがおすすめ
自社サイトを始めるときに、一番のハードルは予約システムの導入かもしれません。システムに詳しく、予算や運用の余裕があれば導入しても良いのですが、最初からそこまで準備できる方は多くないと思います。
また、どれくらい自社サイトから予約が入るかは、やってみないとわからないものです。その中で毎月の費用がかかる予約システムを使うのは、迷いの原因にもなります。
そこでおすすめなのが、「問い合わせベース」で予約を受け付ける方法です。お問い合わせフォームを設けるのもいいですし、メールアドレスやSNSのDMを使っても構いません。お客様が希望の日程を連絡し、空きがあれば予約につなげる形です。この方法の注意点としては、予約システムがないため、お客様が空室状況を確認できないことです。そのため、お客さん側の手間が増えるというデメリットがあります。
たとえば、Airbnbのみで予約を受けている方が、自社サイトを初めて、問い合わせを受けた場合、次のようなイメージです。
- 自社サイトから予約のお問い合わせをお客様から受ける
- Airbnbのカレンダーで空室状況を確認する
- 空いていれば、Airbnbのカレンダーをブロック(予約不可に)する
- 予約が確定したら、お客様に連絡する
このように、シンプルな運用から始めて、少しずつ自社サイトを育てていくことができます。
この方法は、部屋数が少ない民泊に向いていますが、複数の部屋やスタッフで運営している場合、空室の管理が複雑になり、二重予約(ダブルブッキング)につながる可能性があります。
掲載する情報は最低限これだけでOK
宿の情報は、すべてを完璧にそろえようとすると大変です。でも、お客様が「この宿に泊まってみたい」と思う判断材料があれば、まずは十分。以下の情報を用意すれば、自社サイトとしてきちんと機能します。
- 宿の名前と住所(地図リンクもあると親切)
- お問い合わせ先(メールアドレスやフォーム)
- 部屋の情報(広さ、ベッドか布団か、定員など)
- 写真(外観、室内、お風呂など)
- 宿の特徴を一言で伝えるキャッチコピー
- 宿泊料金の目安
- SNSのリンク(あれば)
まずはこの内容から始めて、少しずつ追加していけば大丈夫です。あわせて「プライバシーポリシー」や「キャンセルに関するルール」なども記載しておくと安心です(くわしくは後半で紹介しています)。
どんなサービスを利用して、自社サイトを作る?
「デジタルは苦手で…」という方にも使いやすい、自社サイト作成サービスがあります。
たとえば「WIX」や「STUDIO」というサービスは、テンプレートが豊富で、画面を見ながらマウス操作で作れるので、専門知識がなくても始めやすいのが特徴です。本格的に作る前に、まずはどんな画面で、どのように作れるのかを試してみるのもおすすめです。
また、無料のドメイン(ウェブサイトのURL)も用意されていますが、「サービス名が含まれるアドレス」になります。将来的に検索されやすくしたい(=SEOを意識したい)場合は、独自ドメインの取得(有料)も検討するとよいでしょう。
とはいえ、最初の一歩は無料のドメインからで十分です。まずは「どんな操作感か」「どこまで自分でできそうか」を試してみるところから始めてみましょう。
ウェブサイトを公開するまでの流れ
ここでは、自社サイトを公開するまでの大まかな流れを紹介します。
1. お客様に伝えたいことを書き出す
まずは、宿のどこを気に入ってもらえることが多いかを思い出してみましょう。たとえば「景色がきれい」「静かに過ごせる」など。その魅力をどう伝えるかを考えて、短い文章で書いてみましょう。
その上で、その魅力をサイト上でどのように伝えられるか考えてみましょう。「景色がきれい」と言う声が多ければ、説明で景色の良さを強調したり、部屋からの眺めを写真に撮って紹介するのも良いと思います。
2. 写真や地図など、掲載する素材を集める
まずは、手元にある宿の写真や基本情報を一度整理してみましょう。
ステップ1で書き出した内容と見比べると、「こんな写真があると伝わりやすそう」「もう少し情報を加えたほうが良さそう」といった気づきがあるかもしれません。
以下のような素材がそろっているかを確認してみてください。
- 外観・室内・浴室などの写真
- 地図やアクセス方法(Googleマップのリンクなども便利)
- 宿泊料金やチェックイン・チェックアウトの時間などの基本情報
足りないものがあれば、スマホで写真を撮り足したり、案内文を簡単にメモしたりしてみましょう。
情報が整理されていると、このあとのサイト作りがぐっと楽になります。
3. 使うサービスを選ぶ(WIX、STUDIO など)
サイト作成サービスを選ぶときは、どれが自分に合っているかを見極めることがポイントです。WIXやSTUDIOなどは、どちらも初心者に使いやすいサービスですが、特徴が少し異なります。どちらも無料プランから始められるので、最初は試しに使ってみると感覚がつかめます。
サービス選びのコツ
- 他の民泊や小さなお店のサイトを見て「こんな感じにしたいな」と思ったら、その雰囲気に近いテンプレートがあるかをチェック
- 「見た目のきれいさ」よりも「操作しやすいか」を重視すると長く続けやすい
- 迷ったら、まずは操作画面を触ってみるだけでもOK
どちらのサービスも途中で乗り換えることもできるので、最初から完璧を目指さず、気軽に試してみてください。
4. テンプレートを使ってサイトを作る
WIXやSTUDIOなどのサービスでは、はじめからいくつかの「テンプレート(ひな形)」が用意されています。まずは自分の宿の雰囲気に近いデザインを選びましょう。テンプレートを選んだら、そこに自分の宿の情報や写真を入れ込んでいきます。
- 宿の名前や紹介文を書く
- 写真をアップロードして、ページに貼り付ける
- 料金やアクセス情報などを入力する
- お問い合わせ用のメールアドレスやフォームを設置する
マウス操作で直感的に編集できるので、パソコンに慣れていない方でも取り組みやすいです。スマホで見る方が多いことを考えて、スマホ表示でも見やすいレイアウトを選ぶのがおすすめです。
5. 公開して、お問い合わせができるか確認する
せっかく自社サイトを公開しても、お問い合わせフォームがうまく動かないと、お客様とつながることができません。安心して運用を始めるためにも、以下の点をしっかり確認しましょう。
まずは、自分で実際にサイトにアクセスして次のような点を確認してください。
- 問い合わせフォームが正しく送信できるか
- スマートフォンとパソコンの両方で、ページが正しく表示されるか
自分では気づきにくい部分もあるので、できれば家族や友人にも見てもらいましょう。実際に問い合わせを送ってもらって、使いやすさや気になる点を教えてもらうと、より安心して公開できます。
サイトに載せておくと安心な情報について
自社サイトで予約やお問い合わせを受ける場合、お客様とのやりとりがスムーズにいくよう、いくつかの情報をあらかじめ記載しておくと安心です。
たとえば、次のような内容を「利用規約」や「プライバシーポリシー」などのページで伝えるのがおすすめです。
- キャンセルや予約変更のルール(例:〇日前までの連絡でキャンセル無料)
- お客様の個人情報(名前・メールアドレスなど)の利用目的(例:予約に関する連絡のみに使用)
- 緊急時の対応についての一言(例:交通事情による到着の遅れにはできる範囲で対応します)
WIXやSTUDIOなどのサービスには、こうした内容を書くためのテンプレートも用意されています。難しい文章でなくて大丈夫です。お客様に安心してもらうためにも、必要最低限の内容をやさしく伝えておくことが大切です。
小さな一歩でも、始めてみると変わることがあります
自社サイトは、いきなり完璧なものを目指す必要はありません。最初は、お問い合わせベースから始めて、少しずつページを整えたり、予約システムを導入したりと、段階的に取り組んでいけば大丈夫です。
一歩踏み出すことで、「自分の宿をどんな人に届けたいか」「どこを魅力として伝えたいか」が自然と見えてきます。少しづつ、進めてみてください。
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