旅行に行くとき、いつも頭を悩ませるのが交通手段です。特に、車の免許を持っていない私にとって、行動範囲がどうしても限られてしまいます。そんな悩みを解消してくれるのが、レンタル自転車です。今回は、お茶の歴史的な場所がある静岡県・島田を自転車で巡った旅を紹介します。
大井川 川越遺跡
最初に向かったのは、大井川・川越遺跡です。大井川は、川幅が広い川として知られていますが、江戸時代までは橋がなく、「川越人足」と呼ばれる男性たちに背負ってもらい、川を渡る必要がありました。人力で川を渡るってすごいですよね。
この遺跡は、川越人足が集まっていた小屋や川を渡るための切符を購入していた建物などを見学することができる遺跡です。歩ける範囲に遺跡がいくつかあります。
札場(ふだば)
最初に向かったのは札場。札場は、川越人足の人たちにお給料を支払っていた場所です。ちなみにお給料は日払いだったそう。
川会所(かわかいしょ)
次は、川会所へ。川を渡りたいお客さんに向けて、切符を販売していた場所です。当時使っていた道具や歴史などが展示されています。
面白かったのが、料金表。当日の川の深さによって値段が決まっていました。体力に自信がないとできない仕事ですね。
背中に乗って川を渡る以外にも、ハシゴのような台や神輿のような連台などに乗って渡ることも可能でした。飛行機でいう、ビジネスクラス、ファーストクラスといったところでしょうか。
川会所で働いていた人たちの等身大の人形も。
蓬莱橋(ほうらいばし)
次に向かったのが、蓬莱橋です。世界一長い木造歩道橋として、1997年にギネスブックに認定されています。遺跡からは、電動自転車で20分程度。川沿いを走りながら、向かいました。見通しが良いので、橋が近くにあるように見えるのですが、全然辿り着かない。川の大きさを痛感したサイクリングになりました。
蓬莱橋
やっと蓬莱橋へ。蓬莱橋は、全長897.4m。幅は2.4mの木造の橋。木造だから雰囲気がある橋なのですが、左右の柵の高さが低いので、端から落ちてしまいそうで怖かったです。自転車で通ることも可能ですよと言われたのですが、歩いて渡りました。
蓬莱橋の先には、牧之原台地というお茶の大生産地があります。実は、蓬莱橋は、牧之原台地を開拓するためにつくられた農業用の橋なんです。時代は遡ること、明治時代。江戸幕府が幕を閉じたことで、多くの人が職を失いました。特に、徳川家のお膝元である静岡には、江戸から戻ってきた多くの失業者があふれました。そこで新たな仕事が必要となり、その一つとして、お茶栽培を始めることになり、今に至ります。
静岡がお茶の大生産地になったのは、明治維新がきっかけだったと知り、一度渡ってみたいなと思っていたので、ようやく行くことができて嬉しい!
8974茶屋(やくなしちゃや)
蓬莱橋の前にあるのが、8974茶屋。蓬莱橋の前にあります。島田で栽培されたお茶やお土産が販売しています。汗をかいた後だったので、冷たい煎茶をいただきました。朝から時間をかけて水で抽出されたお茶だそう。さわやかで、甘みの強い煎茶でした。
今回は、静岡でお茶栽培が盛んになったきっかけになった場所を巡る旅。 全速力で自転車を漕いだので、筋肉痛になりました。でも、自転車だったからこそ、大井川の広さや景色を身体で感じることができた1日でした。